プライベート・エクイティ入門
INTRODUCTION TO Private Equity
価値創造
プライベート・エクイティの投資運用会社はその幅広い価値創造能力を活用し、投資先企業の長期的な成長可能性を引き出す支援を行います。これにより相対的に高いリターンの創出に繋がる可能性がありますが、投資家はこの「非流動性プレミアム」[ 5 ]を追求する一方で、解約・換金性がある程度制限されます。
プライベート・エクイティの特徴
プライベート・エクイティ戦略では、創業直後の発展段階にある成長企業から成熟期の大企業に至るまで、あらゆる業界や地域に属する非上場企業に投資します。非上場企業はグローバル経済において重要な部分を占めており[ 6 ]、多くの上場企業のように株価の変動に焦点を当てるのではなく、より長期的な視点に立つことができます。
プライベート・エクイティ投資家は、経営陣の刷新、経営やオペレーション及び財務の再構築を含む、積極的な経営への関与と価値創造戦略を通じて、これらの企業の成長を支援します。
投資先企業の収益成長とマルチプル拡大の好機を捉えて資産売却することで、プライベート・エクイティ投資は過去の実績に鑑みても魅力的なリターンを創出しています[ 7 ]。
ここに記載されたトレンドが継続する、あるいは反転しないという保証はありません。過去の出来事およびトレンドは将来の出来事あるいは結果を暗示、予測、保証しません。また、必ずしもそのとおりになると示すものではありません。本ページに掲載された時点のブラックストーンの現在の市場環境に関する見解を表します。
長期的な投資
投資家は流動性の低い投資においては、流動性の高い株式から得られる以上のリターンを求めます[ 10 ]。こうした価格の上乗せを『非流動性プレミアム』と呼びます。目下、個人投資家が一定の期間毎に解約・換金できるよう設計された準流動性ファンドも登場していますが、プライベート・エクイティは依然として長期的な投資を目的とした資産クラスであることに変わりありません。プライベート・エクイティは、長期的に見ても上場市場と比較してボラティリティが低く、堅調にアウトパフォームしてきました。
出所:ケンブリッジ・アソシエイツ、2023年12月31日時点。
注:世界金融危機を通したパフォーマンスを捕捉するため、2007年1月1日に10万米ドルを投資した場合の2023年3月31日までの累積リターンの成長率を表しています。過去の実績は将来の収益を予測するものではありません。『プライベート・エクイティ』は、バイアウト・ファンド、セカンダリー・ファンド、グロース・エクイティ・ファンドで構成されるケンブリッジ・プライベート・エクイティ指数の累積リターンで表しています。『上場株式』は、MSCI ACWI指数のケンブリッジ修正パブリック・マーケット・エクイバレント(PME)分析で表されます。従って、プライベート・エクイティと指数のパフォーマンス比較は、ケンブリッジ・プライベート・エクイティ指数のIRRと、該当する上場指数の仮想のPMEのリターンのパフォーマンスの差に基づいています。仮想のPME指数のパフォーマンスは、PME分析によるキャッシュフローのタイミングの調整により、同期間における当該指数のパフォーマンスと大きく異なる可能性があります。パブリック・マーケット・エクイバレント(PME)分析は、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数のキャピタル・コールまたは分配によるキャッシュフローの日付と金額を、上場市場の指数(ラッセル2000、S&P500など)で再現するものです。これらのキャッシュフローが生み出す仮想のリターンは、PME指数のIRR算出に使用される四半期末の仮想PME基準価額を用いて、上場市場の指数のパフォーマンスを追跡します。したがって、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数と指数のパフォーマンス比較は、ケンブリッジ・グローバル・プライベート・エクイティ指数のIRRと、該当する上場指数の仮説的なPMEのIRRとのパフォーマンスの差に基づきます。
仮想PME指数のパフォーマンスは、キャッシュフローのタイミングのため、当該指数の同期間のパフォーマンスとは大きく異なる場合があります。指数は例示のみを目的として提示されており、PME調整を含む指数との比較に依拠することには、重大なリスクと制限があります。
指数の比較: 本ページに記載されている指数のボラティリティ及びリスクプロファイルは、本ファンドのものとは大きく異なる可能性があります。また、指数は本ファンドと異なる投資ガイドライン及び基準を採用しており、レバレッジは使用していません。そのため、本ファンドの保有銘柄とその流動性は、指数を構成する有価証券と著しく異なる場合があります。指数には手数料や経費が課されず、また当該指数に投資できない場合があります。提示されている指数の投資ガイドラインの概要はご要望に応じてご提供可能です。株式指数の場合、そのパフォーマンス数値には配当金の再投資が含まれています。
インデックスの定義 :ケンブリッジ・アソシエイツ・ 米国バイアウト指数: この指数は、1986年から2023年の間に組成された米国のバイアウト・ファンドから集計されたデータを水平分析したものです。
ケンブリッジ・アソシエイツ・米国グロース・エクイティ指数: 1986年から2023年の間に組成された米国グロース・エクイティ・ファンドから集計したデータを水平分析したものです。ケンブリッジ・アソシエイツ米国プライベート・エクイティ指数: この指数は、1986年から2023年の間に組成された米国のバイアウト・エクイティ・ファンドとグロース・エクイティ・ファンドから集計されたデータを水平分析したものです。
ケンブリッジ・アソシエイツ米国セカンダリー指数:この指数は、1991年から2023年の間に組成された米国のセカンダリー・ファンドから集計されたデータを水平分析したものです。
MSCI ACWI:この指数は、各国市場の大型・中型株のパフォーマンスを測定するものです。
プライベート・エクイティを
ポートフォリオの中核に据える
プライベート・エクイティは従来は非流動的な資産クラスであり、プライベート・エクイティ投資運用会社が投資先企業の価値創出に必要な長期の投資期間(通常7~10年以上)に適応出来る年金基金や大学基金等の機関投資家が主に活用してきました。
長年にわたり、プライベート・エクイティをポートフォリオの中核部分としてきた機関投資家
注: 平均的な大学基金については、Preqin Institutional Allocation Study 2024をご覧ください。平均的なファミリーオフィスについては、UBS Global Family Office Report 2024をご覧ください。個人配分平均については、業界の中低単位数字のオルタナティブ投資配分推定は、べイン&カンパニーのGlobal Private Equity Report 2023に基づいています。3%の配分にはすべてのオルタナティブ投資が含まれており、その中でプライベートエクイティは一部に過ぎません。
投資先企業の価値を引き出す[ 13 ]
長期的なビジネスの変革
優良企業を次なる次元に引き上げることを目指し、時間をかけて成長可能性を引き出す
優秀な経営陣の構築
多くの上場株式投資家にとっては難しい、経営陣の強化または刷新を実現することが可能
投資先企業間におけるシナジー
規模の大きな運用会社は、業務上の専門知識やネットワークを活用することで投資先企業間のシナジーを創出し、業績向上に寄与
プライベート・エクイティ運用会社が価値創造のために用いる手段
プライベート・エクイティ運用会社が価値創造のために用いる手段
事例
Refinitiv(リフィニティブ):価値創造事例[ 14 ]
リフィニティブは、トムソン・ロイター社の財務・リスク部門からカーブアウトされた、金融・経済データ、ニュース、分析、ワークフロー・ソリューションを提供するプラットフォームです。
ハイライト:
- ブラックストーンのオルタナティブ投資経験を活用して新商品を開発し、またブラックストーンとの関係を活用して販売を促進
- 2019年に電子取引を手掛ける子会社Tradewebが上場しスピンオフすることで180億米ドルを調達。株主価値を向上
- 経営陣の刷新と組織構造の合理化
- 2021年1月にリフィニティブはロンドン証券取引所グループと統合し、世界有数の金融データ及びインフラプロバイダーの誕生を実現
注: 2021年2月時点。ブラックストーンが部分的なエグジットを行った日のデータを反映。過去の実績は将来のリターンを予測するものではありません。オルタナティブ投資が、その目標を達成する、あるいは著しい損失を回避する保証はありません。ブラックストーンのファンドや投資がその目標を達成する、あるいは著しい損失を回避するという保証はありません。上記の事例は、特定の種類の全ての投資または投資一般を代表するものではなく、また、いかなるブラックストーンのファンド、投資、取得も、将来的に同等の、または同様に成功する投資を行うと想定するべきではありません。上記の投資は既存のブラックストーンのファンドによって行われており、あくまで参考目的で提供されています。