ジョン・グレイ、ブラックストーン社長兼最高執行責任者(COO):本日のニューヨークはあいにく雪模様ですが、投資の世界においては常にどこかに晴れ間(成長機会)が存在しています。
ブラックストーンのプライベート・エクイティにおける投資先企業は2025年10-12月期に9%の売上成長を達成しており、特筆すべき成果と言えます。プライベート・クレジットにおいては、ポートフォリオ全体のデフォルト率は低水準にとどまっています。一方で、米国では低所得層および中間所得層を中心とした消費の一部に弱さが見られます。また欧州は引き続き成長が鈍く、売上成長も弱含んでいますが、総じて堅調な状況を維持しています。
インフレは引き続き減速基調にあると言えるでしょう。特に政府の公式データは実際の動きを遅れて反映する傾向があり、なかでも住居費ではその遅れが目立ちます。インフレは、3〜4年前は明らかに深刻な問題でしたが、現在は段階的に沈静化しつつあり、今後1〜2年で完全に収束することを期待しています。
プライベート・エクイティの投資環境は、本格的な回復局面に入りつつあります。現在の市場環境は、世界金融危機後に約5年を経て市場が再び活性化した2013年~2014年当時と類似していると捉えています。
私が特にお伝えしたい企業 が医療機器メーカーの Medlineです。同社は2021年にブラックストーンが買収し、70億米ドル超の新規株式公開(IPO)を実現しました。これはプライベート・エクイティ・ファンド主導のIPOとしては過去最大規模であり、ブラックストーンが保有する優良企業に対して、引き続き良好な市場が存在していることを象徴する事例となりました。
また、人工知能(AI)分野における重要な投資テーマとして、「電力」を重視しています。大規模言語モデルの競争において、どの企業やアプリケーションが最終的に成功するかを見極めることは容易ではありません。一方で明確なのは、データセンター、ロボット、自動運転車のいずれも電力に依存しているという点です。電力がなければ、これらのイノベーションは成り立ちません。電力産業は、エネルギー効率の向上や脱工業化を背景に、過去25年間にわたり成長は横ばいでした。しかし現在、その前提が大きく変わりつつあり、電力需要を取り巻く環境は新たな局面を迎えています。
不動産においては、市場の回復がより加速する段階に差し掛かりつつあると見ています。
ブラックストーンの投資先企業で、物流特化型の不動産運営管理会社である Link Logisticsは、賃貸借契約が前年比38%増加し、過去最高を記録しました。不動産クレジット分野でも、ファンダメンタルズの改善やローンの借り換えが進み、非常に良好なパフォーマンスを上げています。さらに、ブラックストーンの見立てでは、ニューヨーク市におけるオフィスの賃貸借契約がコロナ禍以前に匹敵する水準となり、過去最高を記録したと認識しています。こうした動きを通じて、市場環境が整い、回復に向けた条件が着実に揃いつつあると感じています。これは長期的に見て、不動産セクターにとって非常に前向きな兆しだと考えています。
一方で、私にとって最大の関心事は、今後訪れる大規模なディスラプション(構造転換)です。大規模かつ極めて低コストで提供される高度な知能技術が普及すれば、産業全体が根本から変わり、場合によっては淘汰される可能性もあります。こうした変化の方向性とスピードを先取りして予測することこそが、投資運用会社として最も重要な責務だと考えています。
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ブラックストーンの市場の見通し:投資環境の正常化と構造転換、不動産市場の回復
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